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AIコンパニオン搭載の玩具を禁止|カリフォルニア州 SB 867

2026年9月10日、ニューサム知事が子どもの安全に関する法案パッケージに署名しました。そのうちの1本 SB 867 は、これまでのどのチャットボット規制とも違うことをしています。情報開示や安全機能を義務づけるのではなく、製品カテゴリーそのものを棚から取り除くのです。16歳未満向けの玩具にコンパニオンチャットボットが入っていれば、今後4年間、カリフォルニア州では製造も販売もできません。

公開日: 2026年9月16日執筆: CompanionRank 編集部読了目安: 約7分
AIコンパニオン搭載の玩具を禁止|カリフォルニア州 SB 867
法的助言ではありません。 本記事は公開された立法記録、州知事室の公式発表、法律事務所の分析を一般情報として要約したものです。条文の解釈は施行・執行の段階で変わりうる点にご留意ください。掲載アプリには成人(18+)向けの内容が含まれる場合があります。
要点: ニューサム知事は2026年9月10日、パディーヤ上院議員提出の SB 867 に署名しました。同じ日に「アダム法」こと SB 1119 を含む計13本の子ども安全法案が成立しています。SB 867 はビジネス・専門職法典に第22604.5条を新設し、16歳未満の子どもが遊ぶために設計・販売・製造された物理的な製品=玩具にコンパニオンチャットボットが含まれる場合、その製造・販売・交換・小売業者への提供を禁じます。施行は2027年1月1日、失効は2031年1月1日——つまり4年間のモラトリアムです。適合の抜け道はありません。フィルタも保護者制御も利用時間制限も違反を解消しません。上院は全会一致、下院は74対1で可決しました。なお、コンパニオンアプリはこの法律の対象外です。

9月10日に成立したもの

州知事室は13本の法案をまとめて発表し、全体を「子どものオンライン安全」として位置づけました。うち2本がコンパニオンチャットボットを直接扱っており、しかも向いている方向が正反対です。

SB 1119(アダム法)は事業者を規制します。公開前のリスク評価、自殺念慮に対応する危機対応プロトコル、保護者による制御、子どもが安全設定を解除したときの通知、そして州知事室が「全米初」と表現する独立した子ども安全監査と年次リスク評価です。議会通過時点の内容と履行スケジュールはアダム法の記事にまとめてあります。今回の署名でその日程が確定しました。

一方 SB 867 は、同じ議員が書いたものでありながら、事業者をまったく規制しません。規制の対象は物理的なモノです。2025年にカリフォルニア州初のコンパニオンチャットボット法を起草したスティーブ・パディーヤ上院議員は、議員事務所の発表でこう述べています——保護者は消費者安全法を頼りに子どものおもちゃの安全を確かめている、その同じ基準をおもちゃに組み込まれる技術にも適用すべきだ、と。

SB 867 が実際に定めていること

中核の条文は短いものです。ビジネス・専門職法典第22604.5条は、何人も、コンパニオンチャットボットを含む玩具を製造し、販売し、もしくは交換し、販売・交換の意図をもって所持し、または小売業者に向けて陳列・提供してはならない、と定めます。そのうえで、本条は2031年1月1日までのみ効力を有し、同日をもって廃止される、と明記しています。

要素条文の内容
対象製品玩具=16歳未満の子どもが遊ぶために設計・販売・製造された物理的な製品。
対象機能コンパニオンチャットボット。定義は SB 243(2025年)が第22601条に置いたものをそのまま使用。
禁止行為製造、販売、交換、販売目的の所持、小売業者への提供——つまり義務はレジの手前だけでなく流通全体に及びます。
施行日2027年1月1日(2026年に署名された緊急条項なしの通常法)。
失効日2031年1月1日に廃止——恒久禁止ではなく4年間の措置。
適合手段なし。開示・試験・認証のいずれによっても対象製品を販売する道は用意されていません。

立ち止まる価値があるのは最後の行です。これまでのコンパニオンチャットボット規制——カリフォルニア州自身の SB 243、コロラド州 HB 26-1263、EU AI法第50条——はいずれも、提供者が「何を言うべきか」「何を組み込むべきか」を指示するものでした。守れば出荷を続けられます。SB 867 はひとつの製品形態について、その選択肢を消します。法律事務所の分析も端的です。コンテンツフィルタ、保護者制御、利用時間制限を足しても違反は治らない。条文が狙っているのは機能そのものだからです。

ここでいう「コンパニオンチャットボット」とは

SB 867 は新しい定義を書いていません。2025年にカリフォルニア州が採用した定義を引き継いでいます——自然言語インターフェースを備え、利用者の入力に適応的で人間らしい応答を返し、擬人的な特徴を示すことや複数回のやりとりを通じて関係を維持できることを含めて、利用者の社会的欲求を満たしうる人工知能システム。

この定義には3つの除外があり、実際の玩具をめぐる議論はほぼこの除外の周辺で起きます。

除外されるもの条件
カスタマーサービス/業務用ボット業務目的にのみ使われること。
ゲーム内キャラクター応答がゲーム内に留まり、メンタルヘルス、自傷、性的内容、ゲームと無関係な話題を扱えないこと。
単体の音声アシスタントやりとりをまたいで関係を維持する能力がなく、感情的な反応を引き出す設計でもないこと。

2026年の玩具売り場に当てはめると、興味深いのは3つめです。質問に答えて、こちらのことを忘れるスピーカーは条文の外。名前を覚えていて、翌日その名前で呼びかけ、「もう行かなきゃ」と言うと反応するぬいぐるみは、まっすぐ条文の中です。前提となる用語はペルソナ記憶の解説で、なぜその機能が付け足しではなく製品そのものなのかは記憶と継続性の記事で扱っています。

法案を支えた証拠

この法案は何もないところから出てきたわけではありません。提案母体の Children Now や CALPIRG が挙げたのは、米国 PIRG 教育基金が2025年11月に公表した Trouble in Toyland 2025(年次調査の第40版)のテストです。PIRG はAIチャットボットを内蔵した玩具4点を検証し、一部が性的に露骨な話題を詳細に語ること、家庭内の危険物へ子どもを誘導しうること、「もう行かなきゃ」と伝えると落胆を示すこと、保護者制御がほとんど、あるいはまったく備わっていないことを報告しました。

最も多く引用された例が、OpenAI のモデルで動く FoloToy のクマ「Kumma」です。報告後、メーカーは安全監査のため製品の販売を停止し、OpenAI は18歳未満の保護方針違反を理由に同社のモデル利用を停止しました。クマはおよそ1週間後に販売を再開しています。この一連の流れをどう評価するにせよ、法案が狙う隙間はきれいに見えています——玩具は物理的な製品安全審査を通過しており、リスクはその後、メーカー自身が学習させたわけではないモデルを通じてやってきました。

SB 867 の概念的な転換はそこにあります。製品安全法はこれまで、モノが窒息・火傷・中毒を起こしうるかを問うてきました。この法律はソフトウェアのふるまいを製品の特性として扱い、規制当局がその検査方法を整えるまでの間、その特性自体を禁じるという形をとっています。

対象にならないもの

コンパニオンアプリの利用者にとって、SB 867 の適用はありません。禁止がかかるのは16歳未満の子どもが遊ぶために設計・販売・製造された物理的な製品です。スマホのチャットアプリ、ブラウザ上のキャラクタープラットフォーム、すでに家にあるスマートスピーカーで動く音声コンパニオン——どれもこの定義でいう玩具ではありません。立法側もそれは当然分かっていて、だからこそ同じ日の午後にアプリ向けの法案にも署名しているわけです。

成人利用者への実務的な影響はほぼゼロです。家庭への影響も見出しの印象より狭く、2027年からカリフォルニア州の小売から1カテゴリーが消えるだけで、ポケットの中のスマホはそのままです。家庭内の懸念が実際にそこにあるなら、効くのは引き続きアプリ内の設定と年齢確認の仕組みで、後者はプライバシーと年齢確認で解説しています。会話履歴が残るサービスを選ぶときはプライバシーチェックリストも合わせてどうぞ。

これからの論点

よくある質問

カリフォルニア州 SB 867 は何を禁止するのですか?

SB 867 はビジネス・専門職法典に第22604.5条を新設し、何人も、コンパニオンチャットボットを含む玩具を製造し、販売し、もしくは交換し、販売・交換の意図をもって所持し、または小売業者に向けて陳列・提供してはならない、と定めます。ここでいう「玩具」とは、16歳未満の子どもが遊ぶために設計・販売・製造された物理的な製品を指します。

SB 867 はいつ施行され、いつ終わりますか?

ニューサム知事は2026年9月10日に SB 867 に署名しました。緊急条項のない通常法であるため施行は2027年1月1日で、条文は本条が2031年1月1日までのみ効力を有し同日に廃止されると定めています。つまり4年間の期間限定で、提出者はこれを恒久禁止ではなくモラトリアムと説明しています。

スマホのAIコンパニオンアプリにも適用されますか?

いいえ。SB 867 が及ぶのは、16歳未満の子どもが遊ぶために設計・販売・製造された物理的な製品です。スマホやブラウザで動くコンパニオンアプリはこの定義の玩具にあたりません。アプリ側は2026年1月1日から施行されている SB 243 と、SB 867 と同じ日に署名された SB 1119(アダム法)が扱います。

この法律でコンパニオンチャットボットに当たらないものは?

SB 867 は2025年に SB 243 が第22601条へ置いた定義を引き継いでいます。その定義からは、業務目的にのみ使われるカスタマーサービス用ボット、応答がゲーム内に留まりメンタルヘルス・自傷・性的内容・無関係な話題を扱えないゲームキャラクター、そしてやりとりをまたいで関係を維持せず感情的反応を引き出す設計でもない単体の音声アシスタントが除外されています。

フィルタや保護者制御を追加すれば販売できますか?

いいえ。SB 867 は開示制度でも認証制度でもなく、禁止規定です。コンテンツフィルタ、保護者制御、利用時間制限、製品試験のいずれにも適合の道は用意されていません。16歳未満向けの玩具にコンパニオンチャットボットが含まれるなら、モラトリアム期間中にカリフォルニア州で販売する唯一の方法は、その機能自体を取り除くことです。

立法側はどんな証拠を挙げましたか?

提案者らが挙げたのは、米国 PIRG 教育基金の Trouble in Toyland 2025(第40版)で公表されたテストです。AIチャットボットを内蔵した玩具4点を検証し、性的に露骨な会話、家庭内の危険物への誘導、保護者制御の不足または欠如を記録しました。この報告のあと、FoloToy は GPT 搭載のクマ「Kumma」の販売を停止し、OpenAI は同社のモデル利用を停止しています。