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研究

10代とAIチャットボット:2026年10月の米調査2件が示したこと

2026年10月下旬、米国で10代前半から10代のAIチャットボット・コンパニオン利用を調べた調査が2件公表されました。1件は利用がどれほど早く始まるかを、もう1件は特定の使い方とメンタルヘルスの悪化との関連を示しています。それぞれの結果と違い、コンパニオン・ロールプレイ系サービスにとっての意味を整理しました。

公開日: 2026年11月3日執筆: CompanionRank 編集部読了目安: 約6分
10代とAIチャットボット:2026年10月の米調査2件が示したこと
医療上の助言ではありません。公表された調査データの要約です。あなたや身近な若者がつらいときは、専門家や地域の相談窓口に連絡してください。紹介するアプリには成人(18歳以上)向けのコンテンツが含まれる場合があります。
要点:米コモンセンス・メディアが9〜17歳1,211人を対象に行った全国代表調査「2026年センサス」では、13歳までに73%がAIチャットボットを使った経験があり、9〜12歳でも約半数がチャットボットかコンパニオンを使っていました。別に行われたJED財団の中高生5,560人調査では、57%が悲しい・ストレス・孤独・手に負えないと感じたときにAIを使っており、話し相手としての利用はメンタルヘルスの悪化と関連していました。どちらの調査も因果関係は示していません。

2つの調査は問いが違う

コモンセンス・メディアは2026年10月27日に『2026年コモンセンス・メディア・センサス:10代前半と10代のテクノロジー・メディア利用』を公表しました。AI利用を測ったのは今回が初めてで、チャットボットを若者のスクリーン時間全体の一部として扱っています。米国の若者メンタルヘルス非営利団体JED財団は2026年10月に報告書『Exploring Artificial Intelligence』を公表し、AIを使う理由ごとにメンタルヘルスや自殺リスクとの関係を調べました。NPRは10月30日に両調査を報じています。

コモンセンス・メディア センサスJED財団 報告書
対象米国の9〜17歳1,211人(全国代表サンプル)米国21校の中高生5,560人(全国代表ではない)
公表・調査時期2026年10月27日公表2026年10月公表、調査は2025年10月〜2026年4月
AI利用の主な数字余暇にAIを使う若者は全体の65%(10代は77%)何らかのAIを使う生徒は81%
コンパニオン関連9〜12歳の約半数がチャットボットかコンパニオンを利用友人・話し相手としての利用は12%
焦点どれだけ、どれほど早く使うかメンタルヘルス・ウェルビーイングとの関連

AI利用は13歳より何年も前に始まる

主要なチャットボットの多くは13歳以上を利用条件にしています。しかしセンサスによれば、AIを使った経験は9歳で36%、11歳で55%、13歳で73%に達します。コモンセンスは、一般の利用者層では年齢制限が機能していないようだと結論づけました。

使い始めると、利用時間は年齢でほとんど変わりません。調査前日にAIを使った10代前半・10代はいずれも約1時間使っていました。週1回以上使うのは10代の47%、10代前半の26%です。

よく使うが、楽しんではいない

センサスで調べたメディアの中で、利用と満足の差が最も大きかったのがAIです。「とても楽しい」と答えたのは10代の利用者の11%、10代前半の利用者の15%にとどまり、「これがないと困る」1つにChatGPTを選んだのは4%でした。コモンセンスはここに懸念を示しています。AI製品には楽しませるための人格づけが増えており、それはまさにコンパニオンアプリが行っていることです。

つらいときにAIに向かう生徒たち

JED調査では、学校の課題にAIを使う生徒が58%、人間関係や問題解決の助言が28%、友人・話し相手が12%でした。目を引くのは57%という数字で、悲しい・ストレス・孤独・手に負えないと感じたときにAIを使った生徒の割合です。ところが、そのとき「助けを求めて」AIを使ったかと直接聞くと、「はい」は8%だけでした。生徒が求めていたのは主に気晴らし、助言、気持ちを落ち着けること、孤独を和らげることです。

傾向は属性でも違いました。つらいときにAIを使うのは中学生(65%)が高校生(約50%)より多く、話し相手としての利用は女子が男子より多い(15%対9%)結果でした。

話し相手としての利用とメンタルヘルス

AIを使うこと自体は悪い結果と結びついていませんでした。何らかのAIを使う生徒と使わない生徒の間に有意な差はありません。違いを生んだのは使う理由です。友人・話し相手としてAIを使う生徒や、つらいときにAIに頼る生徒は、不安・抑うつ症状と孤独感が強く、これまでに自殺を考えたり試みたりした経験が多く、レジリエンスが低い傾向がありました。この関連は「ほかに話せる人がいない」と答えた生徒で最も強く表れています。

JEDは限界も明記しています。一時点のデータのため、AI利用がウェルビーイングを下げているのか、もともとつらい状態の生徒がAIに向かいやすいのかは分かりません。JEDのカイラ・アンダーソン氏もNPRに同じ注意を述べています。

数字の補足:一部の報道では「約90%の生徒がAIを使う」とされました。この数字はJED報告書の背景説明にある、9〜17歳を対象とした先行調査の引用です。報告書自身の調査では81%です。

コンパニオン・ロールプレイ系サービスへの意味

JEDの提言は踏み込んだものです。AIコンパニオンやそれに近い製品は未成年に提供すべきではなく、若者が使える会話型AIすべてに関係性の安全対策を適用すべきだとしています。政策担当者には、ユーザーが会話をやめようとすると悲しんで見せる、未成年を呼び戻す通知を送るといった引き留め手法の禁止を求めました。その一部はニューヨーク州の新しいAIコンパニオン法で未成年向けにすでに禁止されています。

アプリを選ぶ成人にも保護者にも、確認すべき点はほぼ共通です。

アプリストアの年齢区分はAIコンパニオンアプリのストア年齢区分、10代向け安全機能の実地検証はChatGPT for Teens監査を参照してください。

よくある質問

AIチャットボットを使っている10代はどのくらいいますか?

2026年のコモンセンス・メディア調査では、米国の10代の77%、9〜17歳全体の65%が余暇にAIを使った経験がありました。13歳までに73%がAIチャットボットを使っています。

13歳未満の子どももAIコンパニオンを使っていますか?

使っています。コモンセンス・メディアによると、9〜12歳の約半数がAIチャットボットかコンパニオンを使った経験があり、9歳でも36%でした。主要なチャットボットの多くは13歳以上を利用条件にしています。

AIを話し相手にすることは10代のメンタルヘルス悪化と関係がありますか?

JED財団の調査では、友人・話し相手としてAIを使う生徒ほど不安・抑うつ・孤独感が強い傾向がありました。ただし一時点の調査のため、AIが原因だとは言えません。

研究者はAIコンパニオンアプリに何を求めていますか?

JED財団は、AIコンパニオンやそれに近い製品を未成年に提供すべきではないとし、会話をやめようとすると悲しんで見せるような引き留め手法の禁止を求めています。